ドストエフスキー『賭博者』~初心者に超おすすめ!
カテゴリー:ステキな本たち、とか
ロシアの文豪 ドストエフスキー。
あまりにも有名なその名前は、誰もが知っていることと思います。
そして、彼の作品も同じように、名前が知れ渡っていますよね。
が、彼の作品、たとえば『罪と罰』を読破したことがあるかと訊かれたら、、、、、、いかがでしょう???
「『罪と罰』、しっかり読破しました!内容の理解もばっちりです♪」
という方、実はそんなに多くはないのでは???
もしあなたが、そんなふうに「ドストエフスキーって、名前は知っているけれど、小説は難しそう~~」というイメージをお持ちでしたら、ドストエフスキー作品のなかでも、この『賭博者』をおすすめします!
なぜって、ちゃんと「ドストエフスキー」的なのに、と~~~っても読みやすいからです♡
ドストエフスキー『賭博者』の初心者おすすめポイント~読みやすい!
とにかく、なんといっても、読みやすいのです!
わたしが、初めてこの小説を読んだとき、
「こんなにすらすらドストエフスキーが読めるなんて、知らないあいだに、わたし、天才になっちゃった!?」
と我が身と我が頭を疑ったほど^^;
この小説では、ある若者が賭博にはまっていく様子が描かれています。
実は、この小説、ドストエフスキー自身の体験を基にしているとか。
賭博だのなんだの、で極限まで追い詰められたドストエフスキー氏が、口述で27日間で完成させたモノなのだそうです。
口述での作品だからなのか、精神的に追い詰められていたから難しくできなかったのかはわかりませんが、読者にとってありがたいことに、ぐいぐい読めちゃう。
ドストエフスキー『賭博者』の初心者おすすめポイント~シンプルな登場人物
もうひとつ、この作品のおすすめポイントは、登場人物のシンプルさです。
もちろん、登場人物がひとり、というようなことはありませんが、他のドストエフスキー作品に比べると、格段にシンプルです。
その昔、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』に初めてチャレンジしたとき、わたしはあっというまに挫折してしまいました。
その最初にして最大の難関ポイントが、小説のなかの複雑な人間関係でした。
ただでさえ、ロシア人のお名前、わたしにとっては覚えにくいことこの上ないのですが、そのロシア人がたっくさん出てくる!ロシアの小説なんだから、あたりまえですね^^;
そのうち、誰が誰なのかわからなくなってきて、挫折してしまったのです。
その後、「カラマーゾフの兄弟における人間関係図」というステキなものをネットに掲載して下さっている神様のようなかたを見つけ、その人間関係図を片手に、やっと無事に『カラマーゾフの兄弟』を読破したのでした。
というドストエフスキー作品に起きがちなことが、この『賭博者』では起きません!
途中で、違う名前=ニックネームで呼ぶのは、やめてほしいですが、そんなに登場人数が多くなく、ストーリー自体、スピード感があるので、途中で呼び名が変わっても、ぐいぐい読んでしまえばなんとなくわかってきちゃいます。
ちゃんと「ドストエフスキー」的♪
ここまで『賭博者』の読みやすさを強調してまいりました。
とすると、こんなふうに思われたかもしれません。
そんなに簡単に読める小説、あんまり深みがないんじゃないの?って。
ところが、そうじゃないのです。
ちゃんと、「ドストエフスキー」的なのです。
「賭け」というある種わかりやすい本能のことが描かれているせいでしょうか。
人間性というものが、エグいまでに浮き彫りになっていて、とても深い!
話がシンプルでスピード感がある分、他の作品と比べ、ドストエフスキーの「核」が、よりわかりやすくなっていると思います。
たとえば、とってもおいしいお米があったとしましょう。まぜごはんにしても、お寿司にしても、リゾットにしても、お米のおいしさは味わえます。でも、お米の本来のおいしさだけを味わうには、シンプルな「塩むすび」のほうがいいですよね。
この『賭博者』は、そんな「塩むすび」のような作品なのです。
ドストエフスキーをはじめとするロシア小説って、なかなか敷居が高いですよね。
わたしは、子どもの頃に読んだ『アンナ・カレーニナ』で、固有名詞が格変化するという驚きの体験をし、ロシア小説がちょっとトラウマになっていました。
でも、読んでみれば、とても深い世界を見せてくれます。
もし、あなたがいままでロシア小説やドストエフスキーを敬遠なさっていたなら、、、、、、ぜひ『賭博者』、手に取ってみて下さい。
きっと、あっというまにドストエフスキーの世界に入り込めますよ♡
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