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『躁鬱大学』坂口恭平

カテゴリー:ステキな本たち、とか

 

またまたご無沙汰をしてしまいました。
少し世の中、落ち着いてきたように思えますが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

急に気が向きましたので♪、気の向くままブログを書いてみることにしました~


今日は超絶おもしろかった本のご紹介です。
坂口恭平さんの『躁鬱大学』



ご存じの方も多いと思いますが、坂口恭平さんは、作家であり、建築家であり、画家でもあるし、音楽家でもあるし、編み物もやっちゃうという恐ろしく多才なかた。写真を見れば、イケメンでもある、という素敵な人物です。
そして、多才である一方というべきか、多才であるのは納得というべきか、彼は躁鬱病と診断されて、その気分の波に翻弄されてきたそうです。
寛解はしても完治は難しいとされる躁鬱病(またの名を双極性障害)。
が、坂口氏は、精神科医神田橋先生の語録をもとにしたご自分なりの方法で、すでに躁鬱病から脱却し、通院も薬も不要な生活になっているそう。
その方法をあますことなく伝えてくれているのが、この『躁鬱大学』なのです。


これがねぇぇぇ、とってもおもしろいんです。
躁鬱病に悩んでいるかたにとっては、「おもしろい」なんて言っては申し訳ないかもしれないのですが、文句なしにおもしろい。


まず、坂口さんは、躁鬱病は病気ではなく、性格であると断じます。「躁鬱病患者」ではなく、「躁鬱人」なんだ、と。
非躁鬱人(わたしのようなひと)が多数を占める現代世界では、価値観も行動も全く異なる躁鬱人はとっても生きにくいのですが、非躁鬱人の価値観に合わせようなどと無駄に苦しむことはやめ、躁鬱人として生きてゆけばよいのです。
もちろん、社会的にはいろいろな都合がありますから、そこはいろいろ調整が必要ですが、そんなところもご指南くださっています。


非躁鬱人のわたしが読んだところ、全体的にこの本は躁状態の坂口さんがお書きになっているのではないかという雰囲気を漂わせまくっています。
だからこその勢いがあって、読んでいるこちらも、ばぁぁぁぁっと読めちゃう。

非躁鬱人たるわたしが読めば、「躁鬱人とはこのようなことを思っているのか」ということがわかり、
躁鬱人のかたが読めば、「こうやっていけば、躁鬱人としてよりよく生きていけるのか」という指針になります。
いわば、両方向へ向けた、躁鬱人の取説になっているわけですね。


わたしのなかで「躁鬱病」といえば、「独立国家を樹立したがる」というイメージでした。
これはたぶん、北杜夫さんのエッセイかなにかに書かれていたエピソードの印象が強烈すぎたためと思われます。
あとは、ちょうどタバコを吸っていたときに贔屓の阪神が勝ったので、それからは野球を見ている間ずっとタバコを吸い続ける羽目になって大変だったという話も結構強烈でした♪周りもたいへん。

今思えば、あれだけご自分の躁鬱病について書いていらっしゃった北杜夫さんも、ある意味、躁鬱人として生きていらっしゃったのかも、なんて思いました。
北杜夫さんがこの本をお読みになったら、どんなご感想を持たれるかしら。。。


ということで、躁鬱人であるかたも、非躁鬱人であるかたも、『躁鬱大学』、ぜひお手に取ってみてくださいな。きっと世界が開けるような気分になりますよ♪

 

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