X JAPANライブ2017～奇跡の夜＠横浜アリーナ

X JAPAN WORLD TOUR 2017-WE ARE X- Acourstic Special.
YOSHIKIさんの手術の影響により、急遽アコースティック・ライブとなった今回のライブツアー～奇跡の夜＠横浜アリーナ。

WOWOWでも生放送されたこのライブの最終日に参戦したX初心者のわたしが感じたものは。。。

X JAPANライブ2017～奇跡の夜

わたしは、X JAPANのライブに行くのは初めてです。
曲も、有名な曲数曲しか知りません。
今回のライブに行くことになったのも、80歳を過ぎても元気いっぱいの母が、去年の紅白を見て
「このひとたちのコンサートに行きたい」
と言い出したから。

でも素晴らしい夜でした。
奇跡の夜でした。

もちろん、アコースティックなX JAPANという超変化球を見られた、ということも奇跡的です。
もともとのX JAPANのライブを経験したことがないわけですから、初めて入った一流の日本料理屋さんで、「裏メニューですよ」と言って、とてつもなくおいしいイタリアンをごちそうになったようなものなのでしょう（看板メニューは、まだ未経験(^O^)）

でも、単に「貴重なものを見た」というだけではなくて、彼らの重大なターニングポイントを目撃した、そんな気がするのです。

タフなのに繊細～X-JAPANの魅力、YOSHIKIの背負うもの

ひとは、相反する複数の要素が共存するモノに、惹かれる傾向があります。
ひらたくいえば「ギャップ」ですね。

X JAPANの大きな引力は、その相反要素の絶妙なバランスにあるんだ。
今回のライブで、そのことを強く感じました。
タフなのに繊細。
背徳的なのに美徳がある。
ぶっこわしながら作り出す。

そのようなX JAPANの絶妙なバランスは、YOSHIKIさん自身のバランスでもあるんだと思います。

ライブの始まる前、スクリーンに流れていたドキュメンタリー映画『We Are X』。
そのなかで、HIDEさんの死について語るYOSHIKIさんは、こんなことを言っていました。
「僕がリーダーだった」
「僕が責任を負わなければならなかった」
「僕が作ったファミリーはなんだったのだろう、と考えた」

そして、始まったライブ。
ステージ上で、痛々しい姿のYOSHIKIさんはピアノを演奏し、語ります。
「本当は、ここにドラムセットがなければいけないはずなのに。。。」
そして何度も、このライブを敢行することができたことへの感謝を口にします。

そんな姿から、なんてたくさんのものをこのひとは背負ってきたんだろう。
その重さが伝わってくるようでした。ずっしりと伝わってくるようでした。

彼自身の波瀾万丈の人生。
バンドの解散、復活。HIDEさん,TAIJIさんの死。TOSHIさんの洗脳騒動。
わたしなどには計り知れないほどの、とてつもなくたくさんのもの。
なんてたくさんのものをこのひとは背負ってきたんだろう。

それが、彼のタフな繊細さをつくりだしてきたのでしょう。
そして、それに共鳴するたくさんの人々を惹きつけてきたのでしょう。

これからのYOSHIKI、X JAPAN

でも、彼はこんなことも言っていました。
今回の手術をする前に、遺書を書かされたそうです。
そのときに、
「もっと生きたいと思った」
「ずっと自殺願望があった僕が、初めてそう思った」

そして、ステージ上では印象的な場面がありました。
YOSHIKIさんがマイクを持って、SUGIZOさんやHEATHさん、PATAさんに近寄り、耳元でなにかささやきます。すると、ささやかれたメンバーがYOSHIKIさんの代わりに大声で、叫ぶのです。
「おまえら、まだまだ足りねえぞお！」とか
「腹の底から声出せよ～～！」とか
「We are X!」とか。

また、SUGIZOさんがいいコトをおっしゃっていました。
「今回のツアーで、未来が開けましたね。このスタイルなら70歳でもできますよ！」
「いままでは、完璧なXを見せようとしてきたけれど、今回は、最初から、ごめんなさい、をした」

そう。
生きたいという欲望に目覚めたことで、
悪条件下で今回のツアーを敢行したことで、
完璧なXではなくて、満身創痍のXをさらけ出したことで（すっごくかっこよかったけど☆）、
自分じゃなくて他のメンバーに代わりに叫んでもらったことで、
なにかYOSHIKIさんが、いい意味でもっと図々しく、自分をさらけ出して、タフになるような気がしたんです。
タフな繊細さではなくて、繊細も備えたタフへ、変貌するような気がしたんです。
その変貌が、彼らの目指す”世界の壁”撃破へ繋がっていくような気がしたんです。
その変貌のきっかけを、今夜、わたしは目撃したんじゃないかと思ったんです。

これは、一介のＸ初心者の感想に過ぎません。
でもなんだかすごいものを目撃したような気がして、書かずにはいられませんでした。
今後のX JAPAN、きっちり見届けたいです。
そして、YOSHIKIさんが一日も早く回復しますように！