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自分の個性、みたいなもの その2

カテゴリー:ステキな本たち、とか

 

さてさて、前の記事の続きです♡
前の記事では、「枠組みを超える」という観点から、『ジェンダーと脳~性別を超える脳の多様性』ダフナ・ジョエル氏他のお話をいたしましたが、奇しくも同時期に読んだ、同じく「枠組みを超える」本、橘玲さんの『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』をご紹介いたします。


この本は、前記事でご紹介した本とは違って、タイトルだけでは内容が分かりにくいかと思います。

スピリチュアルとおっしゃるので、「宇宙とつながる」とか「あなたの後ろになにか見えます~」とか「あなたの前世は~」などという若干あやしい世界のことなのかと受け取り(そういうのも興味ありますが♪)、「橘さんってそんな本も書くんだ!」と思ったら、全然違いました。
橘さんのおっしゃるスピリチュアルは、無意識のことを指していらっしゃるようで、「顕在意識ではなくて、無意識がパーソナリティを決めるんだよ」ということが書かれた本でした♪


そのパーソナリティ決定の要素として、橘さんは8つの因子を挙げていらっしゃいます。
これは、「ビッグファイブ」という理論における5つの因子を、橘さんが8つに拡張したものです。
ビッグファイブは、トランプ氏の2016年の大統領選やBrexitの選挙でも用いられたと考えられている戦術に用いられたいわば「魔法」の基礎となっている理論です。ターゲットのひとたちを5つの因子で分類し、それぞれに応じたキャンペーンをすることで、こちらの意図通りの行動を起こさせることができちゃう、ってことですね、端的に言いますと。


この本では、ビッグファイブはどれほど強力か、という実例を説明したあとに、それを拡大した8つの因子について、様々な実験の話を交え、詳細に説明してくださっています。
8つの因子とは、以下のとおりです。
〇外向的/内向的
〇楽観的/悲観的
〇同調性
〇共感力
〇堅実性(信頼できるか)
〇経験への開放性(新しい経験に積極的か)
〇知能
〇外見


読者は、それぞれの因子の説明(知能と外見については詳細な説明なし)を読みながら、自然と「ふむ、この項目なら、自分はこういう傾向があるな」と判断できちゃいます。
各項目に、有名な心理学の実験のお話もたくさん盛り込まれておりますので、かなり納得感をもって判断できます。


と、ここで、「あれ?」と思ったあなた!
「枠組みを超える」本のご紹介といっておきながら、橘さんはバリバリに枠組みの話をしているじゃないですか。

そう、確かにそうなのです。が、わたしが「枠組みを超えているな」と感じたのは、8つの因子を説明し終わった後に書かれている「”成功するパーソナリティ”はない」という言葉でした。「このパーソナリティであれば成功する」という類型はない、ってことです。橘さんのお言葉を借りれば、すべてのパーソナリティが、「様々なタイプを残して、多くの遺伝子を後世に引き継ごう」とする人類の進化の結果なのです。

もちろん、現代社会に適したパーソナリティというものはあるのでしょう。
橘さんもおっしゃっているように、自己啓発本などでは、外向性や共感力、堅実性などを高めれば、成功に近づくと説かれています。
確かにそうでしょうし、だからこそ自己啓発本が売れるのでしょうけれど、でも残念ながらパーソナリティはそう簡単には変えられません。

この点、橘さんは
「自分のスピリチュアルに合った物語を作れ」
「自分のパーソナリティを前提にして、それがアドバンテージを持つ場所(ニッチ)を探せ」
とおっしゃっています。
そのためにも、この8つの因子という枠組みを使って、自分のパーソナリティを知ることは、とても有用だと思います。


また、例えば、外向的なのが良くて内向的なのが悪い、というように決めつけられるものでもないですし(ちなみにわたしは内向的)、100%外向的なひとと100%内向的なひとで集団が構成されているわけではなく、その度合いもひとそれぞれです。
橘さんが提示なさっている8つの因子は、あくまで物事を整理するための枠組みなのです。

枠組み自体にはとらわれすぎず、自分(あるいはまわりのひと)のパーソナリティを冷静に判断することで、より心穏やかに暮らせるようになるのではないかなあ、と思います。


そのほかにも、社会的動物であるが故の人間の特性みたいなものが書かれていたり、とても興味深い本でした♡
人間に興味がある方には、お勧めです♪

 

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